『ベルばら』で大和さんにいちばん似合う役は、花祭りの男Aである。

これが予てからの、私の主張だ。
「タニちゃんで『ベルばら』だったら、どの役が観たい?」
そう聞かれたら、必ず答えていた。「花祭りの男A」と。

オスカル?これがヴィジュアル的にいちばん似合いそうで、実はもっとも似合わないと思う。アンドレ?愁い、陰、えええっ。フェルゼン?ううう、モウ勘弁シテクダサイ……。

そんな『ベルばら』キャラの中で、「あ、これは大和さんに似合う、大和さんで観てみたい」と思わせてくれた唯一の役、それが花祭りの男Aなのだ。

花祭りの男A。それは『ベルばら』フェルゼン編の二幕頭に、ストックホルム・フェルゼン邸の庭でランララランランと踊って去る謎の民族衣装の男。
スウェーデンだかオランダだかスイスだか、つかなにゆえ踊ってるんだかかなーり意味不明。

彼は突如あらわれる、フェルゼン邸の庭に。
しかも若干オランダ風味の、謎の民族衣装で。
「アンタ、誰?」

彼は突如踊りだす、観客の疑問をよそに。
♪ランララランラン♪ランララランラン♪ランララランラン♪
「アンタ、なにやってんの?」

それはそれは楽しそうに踊るだけ踊って、彼は立ち去る。前後も脈略も何もなし。
「今のは、いったい???」

……さあ?

これは、とてつもない爆発力が要求される役である。
先ず、その登場だけで、観客の心を鷲掴みにしなければならない。なにしろ、そうでない限りは口ポカーンで終わってしまうからだ。
そして最後までこちらにその無意味さを気づかせる隙を与えないよう、存在だけで勝負し続ける高いスキルが必要だ。
そう、「存在だけで既に花祭り」というスキル。それだけの逸材が、演るべき役。

大和さんがフェルゼン邸の庭に突如あらわれたところを、想像して欲しい。

キラっキラじゃんね!!!

大和さんがフェルゼン邸の庭で突如踊りだすところを、想像して欲しい。

なんか分かんないけど、でもすげー祭りじゃんね!!!

てゆーことで、『外伝ベルサイユのばら―花祭りの男A編―』。
これを大和さん主演で希望。
オランダ育ちのスイス人、そして今は「スウェーデン花祭りを継承する会」会長である花祭りの男A。花祭りに生き、花祭りの理想を追求する、信念の人。
彼は花祭りの日にフェルゼン邸の庭で、フェルゼンの妹ソフィアと恋に落ちる。しかしフランスには革命の嵐が吹き荒れ、彼の義兄となるであろうはずのフェルゼンは、王妃マリー・アントワネットを救出すべくフランスへ向かう。
妹ソフィア、そして花祭りの男Aもまた運命の渦に呑まれ、そして。

あれから幾年。ここはフランスのパリ郊外にある、ジャコバン修道院の聖堂。
修道女たちが静かに神に祈りを捧げていると、新しい皇帝となったナポレオン暗殺を企てた犯人を捕らえるため、兵士たちが乗り込んでくる。
修道女の一人が彼らを厳しく制し、その毅然とした態度に怯んだ兵士たちは、その場を去る。
この修道女を残し誰もいなくなった聖堂に、彼女の名を呼ぶ声が響く。
「ソフィア……」

マントに身を包み姿を現したのは、革命の混乱の中、「スウェーデン花祭りを継承する会」会長として信念を貫こうと生きた花祭りの男A、その人だった。
「花祭りの男Aさん……」(え?)
「二人だけのときは、ハナマツリと呼んでください……」(え?)

何故フランス革命がスウェーデンの花祭りに関係してくるのか、その後どういった経緯で花祭りの男Aがナポレオン暗殺を企てることになったのか、そもそも花祭りはスウェーデンの物なのかなんなのか、そんなことはこの際どうでもいい。(え?)
基本、『ベルばら』に整合性を求めてはいけない。

愛したことがありますか 愛されたことがありますか

これですべてが解決するのだ。(えええ?)
私は『ベルサイユのばら』上演を、支持することはできません。

宙組公演が決まった以上、楽しむしかないと今は思っていますが。それでも、本音を言ったら嬉しくない。

『ベルばら』再演が繰り返される度、どれだけ作品が壊れていったか。
失笑を通り越して、とっくの昔から「怒り」なんですよ。第一に、もうあんなの観たくないの。どの組でも。ましてや贔屓組では。

そして、ヴィジュアルゆえに「ベルばら役者」と 一 部 で 誤 解 されている大和さんが、まったくの植田歌舞伎役者ではないであろうということ。
大和さんもある種の「はったり役者」ではあると思います。でも植田歌舞伎は、大和さんと違う。ああいう大芝居を要求される物は、絶対に違う。
宙組に『ベルばら』が来て欲しくないと思っていた理由は、そこにもあります。
大和さんの黒髪のアンドレでも、巻き毛のオスカルでも、ブロンドのフェルゼンでも、TCAなら観たいです。間違いなく美しいから。
公演では観たくない。「脚本」は要らない。心底、要らない。

さらに今回発表されたラインアップが「外伝アンドレ編」だということも、ますます鬱に拍車をかけるわけです。
すみません、なんで「アンドレ編」が「外伝」なの?日本語解んないよあたし馬鹿だから。
アンドレなんだから、オスカルを生涯愛し抜くんだよね?そうじゃないアンドレなんて、最早アンドレじゃないよね?
オスカルを陰ながら愛するアンドレという男性の「アンドレ編」が、なんで「外伝」なの?それ、ただの「アンドレ編」と、どう違うの?
それとも相手役はロザリーかっ?えええっ?!ソフィアかっ!ディアンヌかっ!えええっポリニャックかっル・ルーかっマロン・グラッセかっ?むかむかむかむか。

で、本当に相手役がオスカルだとしましょう。

ウメちゃんなの?

ネタとしてはおもしろいですよ。ウメちゃんのオスカル、観たいですよ。

だから T C A な ら っ。

なにが哀しくて、トップコンビとして、「相手役」として巡りあった二人が、アンドレオスカルなんてネタ公演を演らなきゃないんだか。(いや決まったわけじゃないけど)

宝塚での時間は、限られています。
正しいトップコンビとしての二人を、私は観たいのです。ネタは要りません。

宝塚の「フェルゼン編」のフェルゼンは史上最強のKY男で大嫌いですが(どう間違ったらフェルゼンがあんな人格破綻者になるのかと植爺に強く問いたい)、「アントワネットというトップ娘役と恋愛する、トップ男役」という点では(寧ろ、という点だけは)正しい。
大和さんアンドレでウメちゃんオスカルでは、その形は望めない。
じゃあウメちゃんがたとえばロザリーならいいのかって、それではアンドレの相手役にならない。無理に相手役にするとしたら、ますますまともな脚本は望めない。

宝塚での時間は、限られています。
正しいトップコンビとしての二人を、私は観たいのです。ネタは要りません。

宙組公演が決まった以上、楽しむしかないと今は思っていますが。

本気で楽しむわよっ。どこかに煮えはあるわよっ。
無くても無理やり創るわよっ。(え?)


なので。


ネガティブ話、終了っっっ。

……たぶん???(笑)(寧ろ怒)
来年2月宙組中日公演。
『外伝ベルサイユのばら―アンドレ編―』『ダンシング・フォー・ユー』

ヅカファンにとって自担が『ベルばら』に当たることが、もはや罰ゲームになってるつー、この現状を劇団はどう考えてるんでしょうねえ。

大和さんのアンドレですか……んなもん観たくない。だいたい大和さんは植田歌舞伎の似合う人じゃないんだってば!
そもそも『ベルばら外伝』なんぞ観たくありません。アンドレ編で『外伝』とか意味分かんねえ。

アンドレ編である以上、いくらなんでもオスカルが相手役だよね。たとえ外伝であっても、隠されたエピソードもなにも他の女性を愛するアンドレなんて、もうアンドレじゃないもんね。
(いやロザリーがアンドレを愛してしまうとかなんとか、アンドレも憎からず思ってるとかなんとか、ますますおかしなことになっちゃう可能性がにゃくも、にゃ、いorz)

ウメカル……なのか?

似合うとは思うし(昔のお茶会でオスカルコスしたんだよね?笑)、前回外伝発表時の植爺「娘役オスカル」発言もあるので、無いとは言い切れないかな……トップ娘役のオスカルは基本賛成しかねますが、ウメちゃんなら本当にありえそうだわ。

それに裏がどうなるか出ていない以上、蘭とむちゃんやみっちゃんが中日かどうか分かりませんが、とむカルにせよ、みちカルにせよ、ネタでしかないだろ(笑)。

いや、寧ろそれぐらいのインパクトがなきゃ観る気しないかな(素)。

みちこオスカル。
みさとジェローデル。
うふふふふふふ~~~。
(↑間違った期待をしている人)

みっちゃんは裏で東上付きバウとも言われてますね。
なら『ベルばら外伝』よりは、私テキにそっちに本腰入れたいかも(真顔)。

だからね。

ヅカファンにとって自担が『ベルばら』に当たることが、もはや罰ゲームになってるつー、この現状を劇団はどう考えてるんでしょうねえ。

誰か植爺を止めてくれ。頼むから止めてくれ。

それでも、本公演の『ベルばら』一本物じゃないだけマシなのかなあ。
ただ、中日の併演は中村Bショー。宙組、どんだけ罰ゲームやねん?

ままままさか『ベルばら外伝』を中日から本公演の一本物に持っていく……なんてことは……ないよね?絶対にゃ、い、よねっ?

にゃ、い、と言ってくれっ!!

んなことになったら罰ゲームの域じゃ済まされねーぞヲイっ!

で、新公その他の配役まだあ?!!!(早く出して早く出して早く出して)
あたしの夏が終わっちゃったよ……。

すげーしあわせなのにね。
すげーしあわせだからね。
だーだー泣いてしまったよ。
アタシの夏、最後の時間。


今回の博多には、3回遠征しました。
初日明けてすぐの第1回遠征、それで前の日記を書いて。
あれ、『愛のボレロ』までで終わっていて、あの流れでもう一度リコの最期まで繋げるつもりだったの。
今回最後の遠征で観たらリコが変わっていて、流れが続かないんですね。
(だから更新は迅速に、と)(だって博多にばっかいるから書けないんだってば)(あれ?いつも更新グダグダじゃんか)


リコはね、狂ってしまった。
完璧にイっちゃってます。

基本的に彼の「恋」は「俺(のキモチ)」が好き!なだけだとは思ってたけれど。
今のリコの目に映るのは、本当に「俺」だけ。
ローラもコンチータも、誰も。何も。見ていない。
俺しか見ていない。
ひたすらに俺に恋してる、俺だけを愛する、狂人。

ただ、相手の目に映る俺だけを見つめている。
それしか見えていないのだ。
そして、その美しさに酔いしれている。

うっとりとダイヤモンドを見つめる、あのイっちゃった目線。
ダイヤモンドより輝く俺を、ダイヤの光の中に見ているのだ。
そして、その輝きに酔いしれている。

非リアルな世界にいる、白い羽を持つリコであったはずなのに。
彼は、とてつもなくリアルな狂人となってしまった。
平気で人も傷つけるだろう、足を折る、デイジーを咲かせる、たいしたことではない。
何でも顔色ひとつ変えずにできるはずだ、今の彼には。
俺以外は、その瞬間に必要なものだけ側にあればいいのだ。
要らなくなれば簡単に切る。
最終的には、俺しか要らないのだ。

ぞっとした。
彼の狂気の、凍るような美しさに。

正気ではいられない。

狂人と解っていても、いや、その狂気こそが。
私をも狂わせる。
そして私の目には、もう彼しか映らない。

相手はまともな人間じゃない。
それを理解したとしても、どうすることもできないのだ。
誰だってそう。
いちど薬を打たれたら、もうそれ無しでは生きてはいけない身体になってしまう。

麻薬。

薬が切れた私は、今。
ガタガタと震えながら、叫んでいる。


ヤクをくれ……。
大和悠河って、ラヴラヴな芝居が決して得意な人じゃないと、私は思っている。
相手役を包み込むような愛情ダダ漏れの芝居。これって宝塚の男役においてとても重要なことだと思うんだけど、その辺は今ひとつな気がする。それよりも「俺」が好き!みたいな。
最近では『ネバセイ』ね(笑)。頼むよ、テレサ愛してくれよ、てか顔見ろよっ(笑)、って何回思ったことか(それでも東宝後半はかなり愛が見えてきたことを、大和さんの名誉ために付け加えておきます)。

リコ観て思った。
一方的に自分勝手に「俺が」オマエを好き!って芝居は、すげーいい!
自分が行け行けで攻め込んでいく。それって「愛」じゃなくて「恋」であって、結局、「俺(のキモチ)」が好き!なだけかもしれないけれど。
「爆走する恋心を演らせたら右に出る者はいない」認定いたしました。

リコは爆走しているけど、暴走はしていない。ここがすごい!
気持ちはグイグイいってるのに、あくまでも表面は静かで美しい。
ただただ内側から発せられる彼の思いだけが、真っ直ぐにローラに向かっていく。ひたすら真っ直ぐに。
だから「愛のボレロ」で、私たちは震撼する。
リコがローラに向ける真っ直ぐな思いは、そのままローラを貫通して私たちに突き刺さるのだ。

ただし、その音程にも、かなり震撼させられるが。
ま、そんなことは、彼の価値を下げるには値しない。
ええ。これっぽっちも。

いつもお前は夢で 開かずのドアを見た
でも今 扉が開いて まだ見ぬ世界へ
それは夢か現か あの声俺を呼ぶ
いつしかふたりは踊る 愛のボレロを

本気なの、リコは。
ふたりでまだ見ぬ世界へ飛び立とうって、本気で思っている。
夢のなかへ。

一方的も一方的、相手は薬でラリってるし。てか、自分がラリらせてるし。
でも、指輪をパキって開けて薬を仕込む顔、悪意なんかないもん。
ローラを魔法にかけているの。愛の魔法。

ふたり夢が現に
愛する俺だけの お前は魔法にかかる
愛のボレロの

リコ、大真面目で魔法かけてる気だから。
「愛のボレロ」が本気の「愛の告白」になっている。
一途に恋する男の、一点の翳りもない叫び。
歌詞のひとつひとつと、リコの邪念のない思いと、その美しい立ち振る舞いと、すべてが合致する。

アン・ドウ・トロワ 血が騒ぐ
すべてさらけ出す
見よ 夜など短い

愛のボレロ、そう。
ハヂメテノヨル。

エロい……彼が純で本気なだけにエロい……ふええええ、恥ずかしい。
もう恥ずかしくって直視できないってば(でも指の間からしっかり見ちゃう、そんな感じ)。 

真顔の恋だから、上着を脱ぎ捨てる姿が、ネクタイを緩める姿が、あんなにも美しいんだと思う。
この瞬間に、嘘はないから。

この場面のリコをこんなふうにもっていくのは、世界広しと言えど大和悠河だけだと思うんですよ。
この芝居は、絶対に大和さんにしかできない。

でね、突如絶叫!

そー・まーーーじか!みーーーらくっ!

これ何て言ってるか、最初真顔で考えこんじゃったんだけど(ニホンゴダト思タヨ)。

あ、他の歌詞も聞き覚えだから、微妙に違うかもしれないです。
こんなに愛をもって聞いてるのに、聞き取りにくいところあるの。大和さんの歌、日本語はいわゆる「すかす」から妙に英語モドキだし、英語はモロ「かな」だから。
もお、大和さんてばまったくう。好き。でへへへ(意味不明)。

好きなんだもん。大好きなんだもんよ。
愛のまーじかみーらくですべて聞き取ってみせますわっ。
ナイトクラブ「コパカバーナ」に、リコがコンチータを連れてやってくる。
最初は悠然とコパガールを眺めているリコ。

そして。

リコはローラに恋をした。

自分の前にローラが現れた瞬間、虚を衝かれたように彼女を見つめ。
そのときリコは恋に堕ちた。
もう、リコの瞳には彼女しか映らない。

このときのリコの瞳が好き。大好き。
ローラに夢中なの、恋する男の子の瞳なの。
彼は何度も「コパカバーナ」から、自分のナイトクラブ「トロピカーナ」にコパガールを引き抜き……てゆーか、そーいう名目で自分のものにしちゃってる奴なんだけど。
それって悪い奴なのかもしれないけど。
その時々の気持ちでは、常にピュアなラヴなんじゃないかと思う。
だって、ローラに恋するリコはキラッキラでね。
ローラだけを見つめ、ローラだけを追いかけ、ほんとにピュアなんだもの。

だから、「ビジネス」でも「企み」でもなんでもない。
自分が恋をしたから。その女の子を手に入れる「方法」として、薬を使う。
悪いことじゃない。ちょっと強引なだけ。

ローラが酔いはじめるでしょ。
「おいおい、大丈夫か」ってあの顔、もうローラが可愛くて可愛くてしょーがないって顔。
全身で「大好き!」って叫んでる。

基本的にリコ@大和悠河は「人」を超越してると思ってるんで、この不思議な生き物がローラを手に入れたからって、永遠に彼女を愛しつづけるなんてことはないのかもしれない。
そんな人間らしい感情なんか、彼は持っていないかもしれない。
今までの女の子たちのように、ローラの頭の上にも、いつかデイジーが咲いてしまうかもしれない。

でも。今、この瞬間は。

リコはローラに恋をした。狂おしいほど、ピュアなはあとで。

それは、絶対的な事実。

大和悠河の悪役が美しいのは、このピュアなはあとが見えるからだ。
リコは、エグくギラギラした悪だっていい。
徹底的に真っ黒なリコ、普通は悪役ってそうなるだろう。
でも、大和悠河が演ると、違う。

この悪い男ったら、背中に白い羽を持っているんだから。
やっていることは黒なのに、そのはあとは真っ白なんだから。

騙されたいと思う。
連れ去られてみたいと思う。
この不思議な生き物に、愛されたいと心から思う。

ねえ、リコ。
私をハバナに連れていって。
さて、博多座も3日目。
今日はkineさん、ハイディさんとお会いできました。
ハイディさんとはあまりお話しする時間がなく、残念でした。また次回!
でも「タニちゃん、歌上手くなったじゃないですかあ!」とのお言葉を。ほほほ。そーかしら、そーなのよ、うふ。

ところで、リコの最期なのですが。
コンチータに撃たれたリコは言うんですね。
「俺の銃が暴発した」
どんな思いでコンチータが自分を撃ったか、そして、これまでどんな思いでコンチータが自分の側にいてくれたか。彼女の究極の愛。
最期にすべてを理解したからこそ、こう言い残す。
私はこの言葉に、なんだか違和感を感じてしまうのです。

解ったのか?リコ。コンチータの思いが届いたのか?
私の目に映る「人」を超越した不思議な生き物は、そんなことまるで解らないまま、「コンチータ……何故だ……」って倒れていくから。
リコもまたコンチータをある意味では愛していたし、もちろんコンチータに愛されているのも知っていた。
ただ、リコの中にあったコンチータは、決して自分に銃を向けたりはしない。そこまでの深い愛など、彼には想像もつかない。
そして、最期までそれを理解しないまま、彼は逝った。

でもね、kineさんにお聞きしたら、「リコは撃たれた瞬間に、すべてを理解したんだと思う」と仰っていました。
てゆーか、そうじゃないと「俺の銃が暴発した」に繋がらないわけです。

や、あの不思議な生き物は、そんな人間の通俗的な感情など理解しないのではないかと。
その非リアルさも、リコ@大和悠河なのだと。
それでも私は、そう思っているんですが。
他のかたには、あの瞬間のリコは、どう映ったんでしょうか?

それが、お茶会でね。
「あの瞬間の気持ちは?」って質問が出たんですね。
大和さん、なんて仰ったと思います?
「いやあ、コンチータも殺したいほど(不満が)たまってたんだなあ、って」
あ、あのう。
……。……。………。
リコ以上に不思議な生き物です、大和悠河。
もお、大好きぃ!(でれでれ)(意味不明)

まあ、そのときのリコの思いはともかくとして(って、ともかくじゃない、本当は重要なことですのよ)。
この、撃たれて、向こう(のコンチータ)を見て、崩れ落ちてゆくリコ。そして、コンチータの腕に抱かれ横たわっているリコ。
ただひたすらガン見です。
もう、筆舌に尽くし難い美しさなんですよう。この世のものとは思えない。

これは観なければ解らない。
ということで、みなさん、ぜひ博多座へ!(にっこり)


私も余談。ハイディさんの日記『博多座』8月5日に書かれてしまいましたわ(笑)。

>余談ですが、私の座った2F席からは、階下のジュンタさんがよく見えました。
>コパの最後、キラキラ衣装でみんなが音楽に合わせて踊りながら、舞台袖に引っ込んでいく時、タニちゃんは下手に引っ込むのですが、ジュンタさんの手拍子はずーーーっとタニちゃんを追いかけていってました(笑)

終演後はハイディさんとお話しする時間がなかったので、まさかそんなところを見られているとは露知らず(汗っ)。
ハイディさんの日記を見て、赤面&爆笑してしまいました。

もちろん、他のかたたちにも大きな拍手を送ってます!ます!なんですけど。
最後、全員が踊るところでは、腕ごと身体ごと完璧に大和さんに向けて、そのまま大和さんの動く方向に手拍手している……かもしれない。袖に引っ込むその瞬間まで、大和さんだけ追いかけている……かもしれない。

……にしても、2F席から判別つくって、オマエどれだけ大和さんピン撮りやねん!(反省)
今日はあなたの生まれた日。
その日のあなたを見つめられるしあわせ。

あなたに出会えた過去に感謝を。
あなたを追い続けられる未来に感謝を。
あなたがここにいる今に感謝を。

すべてのことに感謝します。

そして、あなたがこの世に生まれてきてくた8月4日に、心からの感謝を捧げます。

大和悠河さま。
お誕生日おめでとうございます。

私が博多入りした3日は、まだファンも揃っていなかったのですが、今日は入りからすごい人数です。
故に、大和さんはめっちゃ機嫌いい(分かりやすい人だ)。
黒地に細い白ストライプのスーツ、ブルー地の柄シャツ、赤いヒール、サングラスなし。

大和会のかたたちの声掛け。
「悠河さん、お誕生日おめでとうございます。もう、リコに夢中です。私をハバナに連れてって。いってらっしゃーい」
「ありがとうございます」とすぺさる笑顔の大和さん。
その後、ファンの前を端から端まで何往復もして、目線絨毯爆撃。至近距離での目線爆撃は、超ド級の破壊力。
歩きながら「今日、ご覧になるんですか?」「緑(会服)が似合いますね」などなど、端からファンに声を掛けている。
大和さんがファンの前にずっといて、その上声まで掛けてくださるなんて、ほっんと珍しいんですよ。これだけ言うと大人数のファンに上機嫌の大和さんが、調子に乗ってサービスしちゃったみたいだけど。
入りのとき、かしちゃん、右京さん以下組子全員で楽屋口(の内側)でバースデーイベントをやってくれたそうで、その準備のため「タニ、まだ入らないで!もうちょっと外にいて!」ってことだったらしい。
それで中に入れなくて、5分ほどウロウロしていたという。
宙組子GJ!

公演のバースデーアドリブ。
現代のスティーヴンのスタジオ。ま、これはアドリブというより、「仕込み」でしょうが。
退場のとき、コンチータ「リコ、お誕生日おめでとう」。
リコ「ありがとう」。
コンチータ「いくつになったのお?」
リコ(ムっとした顔で)「俺は歳を取ったなんて感じやしねえんだよっ」と、空想のリコの台詞に引っ掛けて。
そのあとスティーヴンが「今日はリコの誕生日だったんだね〜」。こっちは仕込みじゃなくて、かしちゃんが本当にアドリブで言ってくれたのかもしれません。

ご挨拶のときのかしちゃん。
「本日は宙組『コパカバーナ』博多座におこしいただきありがとうございました」

「本日はリコの誕生日でございまーーーす!リコは明日からさらに盛り上がっていくと思います。みなさま、お見逃しなく!」

「そして、この『コパカバーナ』メンバー、明日も、明後日も、明々後日も頑張っていきたいと思います。みなさま、是非お待ちしております!ありがとうございました!」

幕切れのオーケストラ演奏。終わりのほうでかしちゃんがもう一度出てきて「みなさま、お楽しみいただけましたでしょうか?」って聞くのがデフォルトです。
今日は「それでは、ハッピーバースデー!リコ!」って大和さんを呼んでくれたんですよ。
下手から出てきて、踊りながら舞台を横切っていく大和さん。
「ウエルカーム!」「おめでとうございます!」って、かしちゃんめっちゃかわいい!
「宙組をよろしくお願いします……えっ?!いっちゃうのおっ?!」
かしちゃんのご挨拶の邪魔しちゃ悪いと思ったのか、大和さん踊りながらそのまま上手に捌けちゃったよ!をいっ!
もう、最後までいてくれたっていーのにぃ!

かしちゃん、何度も大和さんの誕生日を宣伝してくださって、本当にありがとうございます(深謝)。

この日ね、幕間に「ジュンタさん」って声かけられました。
超宙組ファンにして超美人のデイジーちゃんではないですか!
「えー、今日いらしてたんですかあ」なんてしばらくお話して、「じゃあ、また」と別れました。別れた筈でした。
……私の後ろをついてくるデイジーちゃん。

隣の席だった!!一幕では全然気づかなかったよう!

「タニちゃんの出番になると姿勢が変わるんだもん。シャキーン!みたいな。完璧にタニピン撮りだし。だから、『ああ、隣の人タニファンだなあ』とは思ってたんですけど」とデイジーちゃん。
やば。私は無意識なんだけど、大和さんの出番になると背筋が伸びて前のめりになるらしく、周りに迷惑だってよく注意されるんですね。なんで気をつけてるつもりなんですが(汗っ)。
「や、あの、座席から背中離さないようすごく気をつけて……あのう……」
「うーん、離れてはいなかったけど、ギリギリの線ですよ」
ごっ、ごめんなさい……。ほんとハタ迷惑な奴。

夜はバースデーお茶会でした。
その話は、また別途。
リコの背中に、真っ白な羽が見えませんか?


人間界の常識とか、通念とか。たとえば、年齢とか。
すべての概念を越えた別世界の人、リコ。
いや、彼は「人」ですらないのかもしれない。
そう。背中に白い羽を持った、それはリコという名の、天上界から降りたった生き物。

彼は、また天上に帰ってゆく。
彼を愛した「人」に撃たれて。
自分が何故撃たれたのかも解らぬまま。
白い羽をはばたかせて、宙に昇ってゆく。


『コパカバーナ』博多座、観てきました。

脚本から言えば、「コンチータ@おばさんを見出して、スターに育てた」「サム@ガキの父親ビッグ・サムの旧友」で、中年男じゃなきゃおかしいんです。
「殺し屋」「ゴッド・ファーザー」、冷酷非道残虐なギャングの親分なんです。
リコ@大和悠河がその言葉の額面通りであったかというと、違うと思うの。
そういうふうに考えると、まったく芝居が足りていない。

だから、感想として最初に出てきた言葉は「困った」。
客観的に見て、この芝居どうなんだろう。
「大和比」では、大人で色悪かもしれない。
でも、大人にも色悪にも、私には見えなかった。
大和悠河のファンからしたら「何言ってるの、タニちゃんは大人でエロかったわ」だろうし、ファンではない人には「中年には見えないし、エロさも足りないし、まったく」と感じられそうだし、本当に何て言ったらいいのか「困った」んですよ。

かといって、少年にも見えません。
中年とか、少年とか、青年とか。そういった概念を越えた生き物に見えます。
いわゆる「(●▽●)<せくすぃでつよ」みたいな芝居も、今回はしていないんですね。
静かに、そこにいるの。
ひたすらに美しく、あくまでも静かに、「人」を超越した生き物として存在している。

「(●▽●)<せくすぃでつよ」、これはこれで私の好物です。
他人はそれを「空回り」と呼ぶかもしれないけれど、あれは「発光」ですから。
大和さんの大和さんらしい、大好きなところなんですが。
それがないので、余計「困った」んです。

単に「つまらない普通の人じゃん」って。
他人にそう言われそうで、「困った」んです。

だいたいね、この不思議な生き物ったら何人も人殺してるようには見えないし、悪いこと企んでるようにも見えないし。
脚本から一般概念で考えられるであろうリコとは、真逆の芝居をしていた。

だけど。

だから。

リコ@大和悠河、ネ申です。

非リアルの極地にある、彼にしかできないリコです。
リアルの極地にあったリコ@瞳子ちゃんを先に観ていたからかもしれないけれど(そして、こちらはこちらで素晴らしかったけれど)……いや、観ていなかったとしても、やはり同じ感想を持ったと思います。
それは芝居が足りないのでもなんでもない、リコ@大和悠河は「人」ではないのだから。
人間界の常識で行動してないもん。だから、もし誰かを殺していたとしても、それは黒くない。
真っ直ぐに、自分の思いを叶えようとしただけ。そこに現れる障害を消すことに、彼自身が罪を感じるはずもない。
白い心で人を殺してきたから、リコはあの芝居になる。

「俺はいつも、欲しい物は手に入れることにしている」
この言葉が残酷なのは、彼がそれを手に入れるために自分がしていることの酷さに、まったく気がついていないから。
「企み」ではない。ただの「方法」。

彼だけ別世界の生き物として存在している。
その非リアルな芝居は、なおかつ作品全体のなかで浮いていない。

そして、比類なく美しい。

誰にこれができますか?

こんなこと、大和さんにしか成しえない。
大和悠河はこれを成しうる人だからこそ、「宝塚のスター」なんです。


ある日、彼は恋をした。
ひとりの女の子に。

ローラを見つめるその目は、純粋な恋の色をもって輝き。
彼は歌う。「愛のボレロ」を。


いつしかふたりは踊る 愛のボレロを
ふたり夢がうつつに 
愛する俺だけの お前は魔法にかかる 愛のボレロの


それは彼の、真なる「告白」の歌。
その純粋な思いは、真っ直ぐに響きわたり。


だから、エロいんです。
中年男が獲物を狙い、手にかけようとしているエロさではない。

恋をしているから。
純粋な思いで上着を脱ぎ、ネクタイを緩める。

それで、「血が騒ぐ」「すべてさらけ出す」だもん。

それってマジなだけに、だからこそある種倒れそうなぐらいエロいの。
すごいと思った。
この歌で、こうくるか?こうくるんだ。こうなるんだ。

リコ@大和悠河、ネ申です。


と、非大和ファンからも、大和ファンからも、石を投げられそうなことだけとりあえず書いて去るっ!(ささささ~~)(話まとめてから書けよ、をいっ)(ひたすら逃げる)

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