霧矢大夢退団と、音月桂退団発表。
2012年4月23日 宝塚緑の袴で最後の出にあらわれた霧矢さんは、透き通った美しい光を放っていた。
紅い薔薇の花束を抱え、穏やかな笑みで歩きはじめる。
報道の前に行って撮影があり、真ん中あたりのそこでファンの掛け声を聞いて。優しい、穏やかな顔で。
と、突然きりやんは、トコトコと楽屋口前あたり……いわゆるガード頭のほうね、そっちに戻った。
あれ?と思ったら、手にした薔薇を、ファンのかたたちに向かって投げはじめた。最後の大階段で貰った、持ち花を。
ファンの嬌声(笑)が、あちこちから上がる。
子どもみたいに楽しそうに。
少年のような笑顔で。いやむしろ少女、だったかもしれない。
抱えた薔薇…80期の80本、と聞くその紅い薔薇を一輪ずつぽんぽんと投げ歩くきりやんは、ほんとうに楽しそうで無邪気な子どものようにかわいかった。
さらに、どうやらその薔薇を投げる配分を、見誤ったらしい。
歩く道が終わったときにも、その腕には十数本の薔薇が残っていた。
最後に立ち止まり、沿道のファンを真っ直ぐに見つめて、深々と一礼をしたあと。
「ええええいっ!」(アテレコ←)
きりやんはニコーーーっ!て笑って、手の中の紅薔薇を、ばさっと(笑)全部、天に放り投げた。
背負っていた重い羽根を外したとき、ひとは子どもに還る……還れるのかもしれないと、そんなことを思ったりした。
霧矢さんの卒業は、わたしにとって「ひとつの月組の時代」の終わり、なのかもしれない。
シューマッハの月組。まみさんの下にいた男の子たち、ケロちゃん、ゆうひちゃん、きりやん、タニちゃん。
わたし視点の霧矢さんの原点は、ファンのかたには失礼な言い方になってしまうかもしれないけど「タニちゃんのお兄ちゃん」だ。
そして、わたしにとっての「ひとつのタカラヅカの時代」。単純に言うと、90周年頃のトップさん…オサちゃん、さえちゃん、コムちゃん、わたるさん、たかちゃん。その90周年企画の役替わり二番手さんたち…麻子ちゃん、きりやん、かしちゃん、瞳子ちゃん、ミズさん、タニちゃん。当時それに準じていたゆうひちゃん。さらに学年で、ゆうちゃん、蘭とむちゃんまで、かな。このあたりのトップさんたちが、わたしにとっての「ひとつのタカラヅカの時代」として、思い入れがある。
ヅカ観てる期間だけは長く、その中の時代時代で、やはり自分の区切りみたいなものがあるから。
あくまでもわたしの個人的な思いであるこの「ひとつのタカラヅカの時代」のトップさんとして、最後の月組トップスターが、霧矢さんだった。
時代は変わってゆく。
あの時代のひとたちが、一人去り、また一人去る。
霧矢さんが、卒業された。
わたしの「ひとつの月組の時代」が、終わりを告げた。
今日からの新生月組にも、幸多かれと祈っています。
大空さんも、卒業される。
残るあの時代のトップさんは蘭寿さんだけになってしまうんだな……心のどこかにそんな気持ちがあった。
いや、新しいトップさんたちに思い入れがないと言うのではもちろんなく、観てきたし観ているし応援してるけど、単なるわたしの中での区切りのラインね。
まさおちゃん、キムちゃん、ちえちゃん、かなめちゃんは、このラインだと「新公の人」←だったから。
変わってゆく。当たり前のことだ。ときは流れてゆく。
とっくに新公なんて卒業している彼女たちは、今、これから、トップスターとして各組を担い、またひとつの新しい時代を創っていくのだ。
霧矢さん卒業の翌日。今日。キムちゃん退団の一報が飛び込んできた。ほんとうに驚いた。
意味分かんないよ……。
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http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/e3f9217554690dd2a63d6d01f69e3503.html
2012/04/23
雪組トップスター・音月桂 退団会見のお知らせ
雪組トップスター・音月 桂が、2012年12月24日の雪組東京宝塚劇場公演『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』の千秋楽をもって退団することとなり、2012年4月24日に記者会見を行います。
なお、会見の模様は当ホームページでもお知らせ致します。
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ほんとうに意味分かんなくて。
キムちゃんはまだまだやる人だと思っていた。やれる人だと思っていた。
だから「新公の人」なんだってば!信じられないよ、こんなに早いなんて!
なぜ……。
ただ。
キムちゃんとタニちゃんの歩いてきた道は、どこか似ている。
下級生のうちから、上級生を超えて抜擢され続けてきた。新公主演を研3で取り、そのままほぼ主演総舐め状態。バウのトリプル(ダブル)主演も早く、その後も単独主演が続いた。劇団から大事に大事に育てられ、そして学年の(実年齢も)若いうちにトップスターに就任した。
なのに、まだまだ先が長いと世間に思われているであろう中での、寝耳に水とも言える退団発表。
4作。まだやれる学年、と言って間違いないだろうに、4作。
たった、4作。
たった、2年。
キムちゃんも、タニちゃんも。
だけど、わたしはタニちゃんのときは驚かなかったの。
パラプリの東宝千秋楽に突然、このひとは天に還ると戦慄が走った、あの感覚は忘れられない。
だから退団が発表になったときは驚かなかった。哀しかったけど。
すごく哀しかったけど、全く驚きはしなかった。
そのときが来たんだ……って静かに涙がこぼれた。
タニちゃんにとっては早くも遅くもない、「今」がそのときなんだ、って。
一通り全組を観ているとはいえ、殆ど管轄組のことしかここに書かないのは、他組には部外者のわたしには分からない部分があると思っているから。それを言える人はどんどん言っちゃって欲しいし、他の人のやり方どうこうじゃない。
自分は、徹底的に見ていると断言しきれるものしか書けないのです。
たまにそうじゃないこと書くけど、ほんと例外。(今日も例外?)あくまでもわたしがそういう人なだけですが。
キムちゃんも、部外者には分からないけど、管轄のかたたちの思いはもしかしたらまた違うのかもしれない、と。
世間の「なぜ?!」コールの中で、そんなことをぼんやりと思ったりもした。
だけどそれでも思うよ。
早すぎる、って。
ただただ、残念です。
トップが発表になったのって、たしかTRAFALGAR大劇の頃だったと思う。
直後にキムちゃんが観にきた日に、わたしも劇場にいたんですね。
劇場に入ってきたキムちゃんに、客席からあたたかい拍手と「おめでとう!」の声が起こって、それに応えていたニコニコの笑顔を思い出します。
早すぎるよ……。
最後の公演が、美しい時間でありますよう。
ふと、大ちゃんは大空さんのサヨナラで宙組をあとにして、次が雪組で音月さんのサヨナラになるんだなあって。
サヨナラ公演って当事者はもちろん、周りの皆もすごく消耗するものだと思う。大ちゃんも大変ではあろうけど、でも最後にキムちゃんから、いろいろ学んでくれるといいなあと思っています。
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http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/b5c7d50ee413857ab16bf9b950b812d7.html
2012/04/23
2012年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<10月~12月・雪組『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』>
4月23日(月)、2012年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、宝塚大劇場、東京宝塚劇場の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。
雪組
■主演・・・(雪組)音月桂、舞羽美海
グランステージ
『JIN-仁-』
原作:村上もとか/集英社
脚本・演出:齋藤吉正
漫画界の巨匠村上もとか氏による「JIN-仁-」は、シリーズ累計800万部突破という記録を持ち、2011年に第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞するなど、村上氏の傑作の中でも特に幅広く支持を受けた作品。更に近年では、ドラマ化によるヒットも記憶に新しいところです。宝塚歌劇では、主人公・南方仁と橘咲の時空を超えた純愛、坂本龍馬との友情を中心に、現代人が忘れかけている命の尊さを、時を超え二つの人生を生きた仁の生き方を通して訴えかけるヒューマンドラマとして壮大に描き出します。
ショー・ファンタジー
『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』
作・演出:中村暁
美しさとエネルギー、そこに“輝き”が加わると、一段と楽しさを増すのがショー。これがサヨナラ公演となる、雪組トップスター音月 桂が放つ“輝き”の一瞬一瞬を永遠に刻みつけるショー作品です。躍動して駆け抜けるダンサーたちのうねりと、音月が一つになり、客席に熱い風を送ります。
紅い薔薇の花束を抱え、穏やかな笑みで歩きはじめる。
報道の前に行って撮影があり、真ん中あたりのそこでファンの掛け声を聞いて。優しい、穏やかな顔で。
と、突然きりやんは、トコトコと楽屋口前あたり……いわゆるガード頭のほうね、そっちに戻った。
あれ?と思ったら、手にした薔薇を、ファンのかたたちに向かって投げはじめた。最後の大階段で貰った、持ち花を。
ファンの嬌声(笑)が、あちこちから上がる。
子どもみたいに楽しそうに。
少年のような笑顔で。いやむしろ少女、だったかもしれない。
抱えた薔薇…80期の80本、と聞くその紅い薔薇を一輪ずつぽんぽんと投げ歩くきりやんは、ほんとうに楽しそうで無邪気な子どものようにかわいかった。
さらに、どうやらその薔薇を投げる配分を、見誤ったらしい。
歩く道が終わったときにも、その腕には十数本の薔薇が残っていた。
最後に立ち止まり、沿道のファンを真っ直ぐに見つめて、深々と一礼をしたあと。
「ええええいっ!」(アテレコ←)
きりやんはニコーーーっ!て笑って、手の中の紅薔薇を、ばさっと(笑)全部、天に放り投げた。
背負っていた重い羽根を外したとき、ひとは子どもに還る……還れるのかもしれないと、そんなことを思ったりした。
霧矢さんの卒業は、わたしにとって「ひとつの月組の時代」の終わり、なのかもしれない。
シューマッハの月組。まみさんの下にいた男の子たち、ケロちゃん、ゆうひちゃん、きりやん、タニちゃん。
わたし視点の霧矢さんの原点は、ファンのかたには失礼な言い方になってしまうかもしれないけど「タニちゃんのお兄ちゃん」だ。
そして、わたしにとっての「ひとつのタカラヅカの時代」。単純に言うと、90周年頃のトップさん…オサちゃん、さえちゃん、コムちゃん、わたるさん、たかちゃん。その90周年企画の役替わり二番手さんたち…麻子ちゃん、きりやん、かしちゃん、瞳子ちゃん、ミズさん、タニちゃん。当時それに準じていたゆうひちゃん。さらに学年で、ゆうちゃん、蘭とむちゃんまで、かな。このあたりのトップさんたちが、わたしにとっての「ひとつのタカラヅカの時代」として、思い入れがある。
ヅカ観てる期間だけは長く、その中の時代時代で、やはり自分の区切りみたいなものがあるから。
あくまでもわたしの個人的な思いであるこの「ひとつのタカラヅカの時代」のトップさんとして、最後の月組トップスターが、霧矢さんだった。
時代は変わってゆく。
あの時代のひとたちが、一人去り、また一人去る。
霧矢さんが、卒業された。
わたしの「ひとつの月組の時代」が、終わりを告げた。
今日からの新生月組にも、幸多かれと祈っています。
大空さんも、卒業される。
残るあの時代のトップさんは蘭寿さんだけになってしまうんだな……心のどこかにそんな気持ちがあった。
いや、新しいトップさんたちに思い入れがないと言うのではもちろんなく、観てきたし観ているし応援してるけど、単なるわたしの中での区切りのラインね。
まさおちゃん、キムちゃん、ちえちゃん、かなめちゃんは、このラインだと「新公の人」←だったから。
変わってゆく。当たり前のことだ。ときは流れてゆく。
とっくに新公なんて卒業している彼女たちは、今、これから、トップスターとして各組を担い、またひとつの新しい時代を創っていくのだ。
霧矢さん卒業の翌日。今日。キムちゃん退団の一報が飛び込んできた。ほんとうに驚いた。
意味分かんないよ……。
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http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/e3f9217554690dd2a63d6d01f69e3503.html
2012/04/23
雪組トップスター・音月桂 退団会見のお知らせ
雪組トップスター・音月 桂が、2012年12月24日の雪組東京宝塚劇場公演『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』の千秋楽をもって退団することとなり、2012年4月24日に記者会見を行います。
なお、会見の模様は当ホームページでもお知らせ致します。
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ほんとうに意味分かんなくて。
キムちゃんはまだまだやる人だと思っていた。やれる人だと思っていた。
だから「新公の人」なんだってば!信じられないよ、こんなに早いなんて!
なぜ……。
ただ。
キムちゃんとタニちゃんの歩いてきた道は、どこか似ている。
下級生のうちから、上級生を超えて抜擢され続けてきた。新公主演を研3で取り、そのままほぼ主演総舐め状態。バウのトリプル(ダブル)主演も早く、その後も単独主演が続いた。劇団から大事に大事に育てられ、そして学年の(実年齢も)若いうちにトップスターに就任した。
なのに、まだまだ先が長いと世間に思われているであろう中での、寝耳に水とも言える退団発表。
4作。まだやれる学年、と言って間違いないだろうに、4作。
たった、4作。
たった、2年。
キムちゃんも、タニちゃんも。
だけど、わたしはタニちゃんのときは驚かなかったの。
パラプリの東宝千秋楽に突然、このひとは天に還ると戦慄が走った、あの感覚は忘れられない。
だから退団が発表になったときは驚かなかった。哀しかったけど。
すごく哀しかったけど、全く驚きはしなかった。
そのときが来たんだ……って静かに涙がこぼれた。
タニちゃんにとっては早くも遅くもない、「今」がそのときなんだ、って。
一通り全組を観ているとはいえ、殆ど管轄組のことしかここに書かないのは、他組には部外者のわたしには分からない部分があると思っているから。それを言える人はどんどん言っちゃって欲しいし、他の人のやり方どうこうじゃない。
自分は、徹底的に見ていると断言しきれるものしか書けないのです。
たまにそうじゃないこと書くけど、ほんと例外。(今日も例外?)あくまでもわたしがそういう人なだけですが。
キムちゃんも、部外者には分からないけど、管轄のかたたちの思いはもしかしたらまた違うのかもしれない、と。
世間の「なぜ?!」コールの中で、そんなことをぼんやりと思ったりもした。
だけどそれでも思うよ。
早すぎる、って。
ただただ、残念です。
トップが発表になったのって、たしかTRAFALGAR大劇の頃だったと思う。
直後にキムちゃんが観にきた日に、わたしも劇場にいたんですね。
劇場に入ってきたキムちゃんに、客席からあたたかい拍手と「おめでとう!」の声が起こって、それに応えていたニコニコの笑顔を思い出します。
早すぎるよ……。
最後の公演が、美しい時間でありますよう。
ふと、大ちゃんは大空さんのサヨナラで宙組をあとにして、次が雪組で音月さんのサヨナラになるんだなあって。
サヨナラ公演って当事者はもちろん、周りの皆もすごく消耗するものだと思う。大ちゃんも大変ではあろうけど、でも最後にキムちゃんから、いろいろ学んでくれるといいなあと思っています。
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http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/b5c7d50ee413857ab16bf9b950b812d7.html
2012/04/23
2012年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<10月~12月・雪組『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』>
4月23日(月)、2012年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、宝塚大劇場、東京宝塚劇場の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。
雪組
■主演・・・(雪組)音月桂、舞羽美海
グランステージ
『JIN-仁-』
原作:村上もとか/集英社
脚本・演出:齋藤吉正
漫画界の巨匠村上もとか氏による「JIN-仁-」は、シリーズ累計800万部突破という記録を持ち、2011年に第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞するなど、村上氏の傑作の中でも特に幅広く支持を受けた作品。更に近年では、ドラマ化によるヒットも記憶に新しいところです。宝塚歌劇では、主人公・南方仁と橘咲の時空を超えた純愛、坂本龍馬との友情を中心に、現代人が忘れかけている命の尊さを、時を超え二つの人生を生きた仁の生き方を通して訴えかけるヒューマンドラマとして壮大に描き出します。
ショー・ファンタジー
『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』
作・演出:中村暁
美しさとエネルギー、そこに“輝き”が加わると、一段と楽しさを増すのがショー。これがサヨナラ公演となる、雪組トップスター音月 桂が放つ“輝き”の一瞬一瞬を永遠に刻みつけるショー作品です。躍動して駆け抜けるダンサーたちのうねりと、音月が一つになり、客席に熱い風を送ります。
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