逆転裁判2には、二種類の「薬」が出てきます。
被害者が飲まされた「毒薬」ハート・ストップ。
被害者が飲んでいた「心臓の万能薬」ハート・フル。

これはどちらもカプセル状で、心臓の持病のために被害者が毎日お昼に飲んでいた万能薬ハート・フルは、食後30分後に作用し眠たくなるんだそうです。
だからと言って世界中のありとあらゆるカプセルが30分で溶けて作用する(30分経たないと作用しない)とはどうしても思えないんですが(笑)、裁判はこのニックの無理やりな推理を「真実」として進められていきます。

30分経たないと薬が作用しない以上、殺害現場写真の時計から考えて、毒薬を飲んだことが直接の死因ではない。
被害者の死因は心臓発作。その発作ときに「心臓の薬」を奪う、「殺意を持って救命手段を奪う」ことが犯人のとった殺害方法である。ニックは、こう答えを導き出すのです。

で、「心臓の薬」って何?
舞台上にあきらかに出てくる「薬」は、ハート・フルとハート・ストップです。
この「心臓の薬」を、「心臓の万能薬」ハート・フルと考えてみましょう。薬が二択で、なら、どう考えたってハート・フル。そう解釈するのが自然だと思いませんか。

マルケス・ペインさん大変だぞをい。
心臓発作が起こる度に、30分間のた打ち回らなきゃないんですから。だって薬は30分経たないと効かないんだもん。
マルケスさんとルーチェ一家が食事に行ったときの写真を思い出してみてください。片手で心臓を掻きむしり、もう片手を宙に伸ばして苦しみに顔を歪めるマルケスさん。これが30分間ッスよ。

毎回ああなっちゃうんだ。

どれだけ修羅場な食事会(笑)。

うーん、ハート・フルとは別に、マルケスさんは即効性のある心臓の薬を、ペンダントに入れて常備していたんですか?

分かりづれーんだよっ!

逆裁のトリックがちゃちなのは、本家ゲームからしてそうなんだからしゃあないという声もありました。
でもね、ゲームのトリックはありえねーけど(笑)、決してちゃちくはないと思うのよ。作りこまれた物語の感がある。
鈴木くんのトリックはちゃちすぎ。穴だらけで、どの角度からも「異議あり!」だぞ。


蘭とむちゃんなんですよ。

ちゃちなトリックを「真実」にし、物語を成立させているのは。

蘭寿とむの人差し指が、真っ直ぐに虚構に突き刺さる。

そのとき、世界のすべてが「真実」に変わるのです。


蘭寿とむに、異議なし!

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