惜別@『黎明の風~侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦~』東宝千秋楽・その3
2008年5月20日 宙組この公演でご卒業されたのは、前回書いた組長のまりえさん、そしてみきちゃん、ちゃみの三人である。
みきちゃんは周知のとおり歌の得意な娘役さんで、最後となったこの公演でも、ブギの女として、またエトワールをはじめとするショーの各場面で、美声を披露してくれていた。
将校クラブの場面では、前場で「東京ブギウギ」を歌っていたブギの女も、そのまま残る。
場の半ばでさりげなく退場するのだが、ここのみきちゃんの「バイバイ」するお顔が好きだった。大楽では、見送る同期のえりこちゃんたちの表情になにか深い感慨が見えたと思えたのは、私の目が穿ちすぎだったせいだろうか。
ちゃみは4月に研5になったばかりで、まりえさんのように餞の台詞があったり、みきちゃんのようにエトワールがあったりしてのご卒業ではなかった。
だが、餞の場は仲間が用意した。
マッカーサー登場の厚木飛行場の場面。センターではもちろん、マッカーサーをはじめとするGHQたちの芝居が繰り広げられているが、ここの下手には日本兵が立っている。
センターから学年順に珠洲さん、りさちゃん、GOちゃん、さっつん、ちゃみ、こず、さっくん、きゃおの8人。
彼らはこれも場の半ばで、MPのかなちんに促されて、下手側の下級生から順に袖にハケる。
前楽。かなちんがここで、ちゃみを引きとめたのだ。
下手袖の前に残されるちゃみ。他の日本兵たちは、いつもの順にハケてゆく。
最後にちゃみの前に来たのは、最上級生の珠洲さん。
珠洲さんは優しい顔をして、ちゃみの両肩をポンポンと叩いた。そしてその肩を両手で包むように抱き、そのまま二人でハケていった。
あくまでも日本兵としての芝居のまま、先輩兵が後輩を庇うかのように。でも「ちゃみ、お疲れさま」っていうともえちゃんの声が聞こえてくるような、私にはそんな気がした。
大楽。またもやかなちんが、ちゃみを引きとめた。
かなちんはMPなので、元々日本兵の扱いは乱暴である。
今度はちゃみを揺すったりどついたり(笑)、手荒くしつこく引きとめた。他の日本兵全員がハケたあとも、しばらくちゃみを残しての小芝居は続く。
「行くぞっ」とばかりに、先にハケるかなちん。
最後の最後まで舞台に残ったのは、ちゃみ。
ちゃみの芝居での出番は、ここ厚木飛行場が最後になる。
今回の千秋楽は、石田作品には珍しくアドリブらしいアドリブもなく、ほぼ脚本通りに舞台は進んだ。
しかし、時間にしたらほんの僅か、もしかしたら気付かない人もいたかもしれない、こんな台詞のない下手芝居に。
仲間を送る惜別の情が籠められていたのだ。
そのあたたかさ、そして別れのせつなさ。
まりえさん、みきちゃん、ちゃみのこれからに、いままで以上に幸多かれと心から願う。
みきちゃんは周知のとおり歌の得意な娘役さんで、最後となったこの公演でも、ブギの女として、またエトワールをはじめとするショーの各場面で、美声を披露してくれていた。
将校クラブの場面では、前場で「東京ブギウギ」を歌っていたブギの女も、そのまま残る。
場の半ばでさりげなく退場するのだが、ここのみきちゃんの「バイバイ」するお顔が好きだった。大楽では、見送る同期のえりこちゃんたちの表情になにか深い感慨が見えたと思えたのは、私の目が穿ちすぎだったせいだろうか。
ちゃみは4月に研5になったばかりで、まりえさんのように餞の台詞があったり、みきちゃんのようにエトワールがあったりしてのご卒業ではなかった。
だが、餞の場は仲間が用意した。
マッカーサー登場の厚木飛行場の場面。センターではもちろん、マッカーサーをはじめとするGHQたちの芝居が繰り広げられているが、ここの下手には日本兵が立っている。
センターから学年順に珠洲さん、りさちゃん、GOちゃん、さっつん、ちゃみ、こず、さっくん、きゃおの8人。
彼らはこれも場の半ばで、MPのかなちんに促されて、下手側の下級生から順に袖にハケる。
前楽。かなちんがここで、ちゃみを引きとめたのだ。
下手袖の前に残されるちゃみ。他の日本兵たちは、いつもの順にハケてゆく。
最後にちゃみの前に来たのは、最上級生の珠洲さん。
珠洲さんは優しい顔をして、ちゃみの両肩をポンポンと叩いた。そしてその肩を両手で包むように抱き、そのまま二人でハケていった。
あくまでも日本兵としての芝居のまま、先輩兵が後輩を庇うかのように。でも「ちゃみ、お疲れさま」っていうともえちゃんの声が聞こえてくるような、私にはそんな気がした。
大楽。またもやかなちんが、ちゃみを引きとめた。
かなちんはMPなので、元々日本兵の扱いは乱暴である。
今度はちゃみを揺すったりどついたり(笑)、手荒くしつこく引きとめた。他の日本兵全員がハケたあとも、しばらくちゃみを残しての小芝居は続く。
「行くぞっ」とばかりに、先にハケるかなちん。
最後の最後まで舞台に残ったのは、ちゃみ。
ちゃみの芝居での出番は、ここ厚木飛行場が最後になる。
今回の千秋楽は、石田作品には珍しくアドリブらしいアドリブもなく、ほぼ脚本通りに舞台は進んだ。
しかし、時間にしたらほんの僅か、もしかしたら気付かない人もいたかもしれない、こんな台詞のない下手芝居に。
仲間を送る惜別の情が籠められていたのだ。
そのあたたかさ、そして別れのせつなさ。
まりえさん、みきちゃん、ちゃみのこれからに、いままで以上に幸多かれと心から願う。
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